【会社名】 / Generative AI Guidelines / 2026

生成AI利用ガイドライン

安全に、賢く、AIを業務に活かすために。
本ガイドラインは、生成AIを業務で活用する際の基本ルールを定めたものです。 制限ではなく、安心して使うための「交通ルール」です。

セキュリティ 生産性向上 リスク管理 コンプライアンス

施行日: 【YYYY年MM月DD日】 / 版: 1.0 / 管理者: 【情報管理責任者】

1目的・基本方針

AIを「使わない」のではなく、「正しく使う」ためのガイドラインです。

本ガイドラインは、【会社名】における生成AI(ChatGPT、Gemini、Claude、Copilot等)の業務利用に関する基本ルールを定めます。 AIの活用を推進しつつ、情報漏洩・著作権侵害・誤情報拡散などのリスクを適切に管理することが目的です。

3つの基本姿勢

STANCE 01

積極的に活用する

AIは業務の質と速度を高める道具です。文書作成、リサーチ、アイデア出し、コーディングなど、使える場面では積極的に活用してください。

STANCE 02

リスクを理解して使う

AIには情報漏洩・ハルシネーション(もっともらしい嘘)・著作権侵害などのリスクがあります。リスクを理解した上で、ルールに沿って使ってください。

STANCE 03

学び続ける

AI技術は急速に進化します。最新の活用方法やリスクをキャッチアップし、自分のスキルを磨き続けてください。

大切なこと: このガイドラインは「禁止」のために作ったものではありません。全員が安心してAIを使い、生産性を上げるための「交通ルール」です。迷ったら、まず相談してください。

2適用範囲

誰が・何を・どのツールで — ガイドラインの対象を明確にします。

対象者

本ガイドラインは、【会社名】の業務に従事する全ての方に適用されます。

対象適用
正社員適用
契約社員・嘱託社員適用
派遣スタッフ適用
業務委託・フリーランス適用(委託契約に本ガイドラインの遵守を含める)
インターン・アルバイト適用

利用可能なAIツール

業務で使用するAIツールは、会社が承認したもののみです。個人契約のツールに業務データを入力しないでください。

ツールステータス備考
【承認済ツール名】(例: ChatGPT Enterprise)承認会社契約。入力データはモデル学習に使用されない
【承認済ツール名】(例: Microsoft Copilot for Microsoft 365)承認M365テナント内で動作。データは社外に出ない
個人アカウントのChatGPT(無料版含む)禁止入力データがモデル学習に使用される可能性あり
未承認のAIツール全般禁止利用希望の場合は【情報管理責任者】に申請
新しいツールを使いたい場合: 【情報管理責任者】に利用申請を提出してください。セキュリティ審査を行った上で、承認リストに追加します。

3AIに入力してはいけない情報

「これは入れて大丈夫?」と迷ったら、入れない。

以下の5カテゴリに該当する情報は、AIツールに入力しないでください。たとえ会社承認済のツールであっても、これらの情報は原則として入力禁止です。

CATEGORY 01

個人情報

顧客・従業員の氏名、電話番号、メールアドレス、住所、マイナンバー、社員番号、人事評価、給与情報、健康情報など。

CATEGORY 02

営業秘密・機密情報

未公開の財務データ、利益率、価格戦略、技術ノウハウ、ソースコード、パスワード、APIキー、認証情報、事業戦略、製品ロードマップなど。

CATEGORY 03

取引先の機密情報

NDA(秘密保持契約)対象の情報、取引先の契約条件、契約書全文、顧客リスト、仕入先リストなど。

CATEGORY 04

法令・倫理に違反するコンテンツ

差別的・ハラスメント的な内容の生成、誹謗中傷、違法行為の指示、ライセンスなしの著作物の入力など。

CATEGORY 05

社内限定情報

未発表のプレスリリース、取締役会議事録、経営会議資料、内部監査結果、人事異動の未公表情報など。

条件付きで使える情報: 以下の工夫をすれば、業務情報をAIに活用できます。
匿名化 — 氏名を「A社」「候補者X」に置き換える
集計値 — 具体的な売上額ではなく「約○○万円」「前年比120%」のように丸める
仮説ベース — 「もしこういう状況だったら」のように仮想シナリオにする
公開情報のみ — 自社Webサイトや公開資料に載っている情報

4AI出力は「下書き」— 必ず人が確認する

AIは自信満々に嘘をつきます。最終チェックは必ず人間が行ってください。

ハルシネーション(幻覚)とは

生成AIは、存在しない事実・データ・引用を、あたかも本当のことのように出力することがあります。 これを「ハルシネーション」と呼びます。AIが自信満々に答えていても、その内容が正しいとは限りません。

特に注意が必要なもの:
数字・統計データ — AIが生成した数値は架空の可能性があります。必ず一次情報で確認
固有名詞 — 人名・社名・製品名・法律名を正しく出力するとは限りません
法律・規制 — 法的アドバイスとして使うのは危険です。必ず専門家に確認
URL・引用 — 存在しないWebページや書籍を「引用」することがあります

確認フロー

AI出力を受け取る AIの出力はあくまで「たたき台」「下書き」として受け取ります。
一次確認(本人) 事実関係、数値、固有名詞、論理の整合性を自分で確認します。
上長レビュー(重要文書の場合) 社外に送付する文書、公開コンテンツ、契約関連は上長の確認を受けます。
公開・送付 確認が完了したら、公開・送付します。AIが作成したことは、内容に責任を持つ限り明示不要です。

6こんな使い方がおすすめ

日常業務でAIを活かせるシーン。まずはここから始めてみてください。

USE CASE 01

文書作成

メールの下書き、議事録の要約、報告書のドラフト作成、文章の校正・推敲。「ゼロから書く」より「AIの下書きを直す」方が速い。

USE CASE 02

リサーチ・分析

市場調査の初期リサーチ、競合情報の整理、データの傾向分析、情報の構造化・分類。ただし事実確認は必須。

USE CASE 03

アイデア出し

ブレインストーミング、企画の構成案、キャッチコピーの候補出し、問題解決のアプローチ検討。壁打ち相手として最適。

USE CASE 04

コード・技術支援

プログラミング補助、コードレビュー、バグの原因調査、技術的な概念の説明。開発スピードが大幅に向上します。

USE CASE 05

翻訳・多言語

文書の翻訳、ローカライズ、外国語メールの下書き、専門用語の翻訳確認。ニュアンス確認は人間が行う。

USE CASE 06

学習・スキルアップ

新しい概念の理解、ベストプラクティスの確認、業界知識のキャッチアップ。「先生」として聞くと効率的。

コツ: AIに良い結果を出してもらうには、良い指示(プロンプト)が大切です。「具体的に」「背景情報を添えて」「出力形式を指定して」依頼すると、精度が上がります。

7「やってしまった」と思ったら、すぐ報告

報告したこと自体は評価されます。隠すことが最大のリスクです。

インシデント例

INCIDENT

情報漏洩の可能性

顧客名や機密情報をうっかりAIに入力してしまった。個人のChatGPTに業務データを貼ってしまった。

INCIDENT

誤情報の外部送付

AIが生成した誤った数値や事実を確認せずに顧客に送ってしまった。存在しない法律を引用した文書を公開してしまった。

エスカレーションフロー

発見・気づき 「まずいかも」と思った時点で行動を開始。自己判断で隠さない。
利用を停止し、状況を整理 何を入力したか、どのツールか、いつ発生したかをメモします。
直属の上長に報告 口頭またはチャットで速やかに報告します。
【情報管理責任者】に連絡 上長経由、または直接連絡。技術的な対応が必要かを判断します。
対応・再発防止 必要に応じてAIベンダーへのデータ削除依頼、関係者への通知、再発防止策の策定を行います。
安心してください: うっかりミスは誰にでも起こります。報告が早ければ被害を最小限に抑えられます。報告した人を罰するためではなく、組織全体の学びにするための仕組みです。

8研修・リテラシー向上

AI技術は急速に進化します。学び続けることが最大のリスク管理です。

研修対象頻度内容
導入研修全社員(新入社員含む)入社時 / ガイドライン初回施行時本ガイドラインの説明、ハンズオン体験
年次アップデート研修全社員年1回最新AIツール紹介、リスク事例共有、ガイドライン改定点
スキルアップ研修希望者随時プロンプトエンジニアリング、業務別活用ワークショップ
自主学習のすすめ: 日常業務でAIを試行錯誤することが最大の学びです。「使って慣れる」→「うまくいった方法をチームに共有」→「全体のスキルが上がる」のサイクルを回しましょう。

9違反時の対応

故意と過失で対応が異なります。重要なのは隠さず報告すること。

レベル内容対応
レベル1: 注意 過失による軽微な違反(例: うっかり個人名を入力したが、すぐに報告) 口頭注意 + 再発防止の確認
レベル2: 警告 繰り返しの違反、または報告の遅延 書面警告 + 追加研修の受講
レベル3: 処分 故意の機密情報漏洩、悪意ある利用 就業規則に基づく懲戒処分
ポイント: 過失 + すぐに報告 = レベル1で済むケースがほとんどです。隠して後から発覚すると、レベルが上がります。報告は自分を守る行動です。

10ガイドラインの管理・改定

AI技術の進化に合わせて、ガイドラインも定期的に見直します。

項目内容
改定責任者【情報管理責任者】
定期見直し半年に1回を目安(4月・10月)
臨時改定重大インシデント発生時、法改正時、新ツール導入時
周知方法改定時に全社員にメール + 研修で説明
版管理版番号 + 施行日で管理(例: v1.1 / 2026-10-01)

改定履歴

施行日主な変更点
v1.0【YYYY-MM-DD】初版策定

AAI利用チェックリスト

迷ったらこのリストを確認。印刷してデスクに貼っておくと便利です。

DO(やってOK)

  • 会社承認済のAIツールを使う
  • メールや報告書の下書きをAIに作らせる
  • 公開情報をもとにリサーチ・分析する
  • アイデア出し・ブレストの壁打ち相手にする
  • AI出力の事実関係を自分で確認してから使う
  • 匿名化・仮説ベースで業務情報を活用する
  • プログラミングの補助として使う
  • 翻訳・校正の下書きとして使う
  • 困ったら上長や【情報管理責任者】に相談する
  • うっかりミスをすぐに報告する

DON'T(やってはダメ)

  • 個人のChatGPTに業務データを入力する
  • 顧客名・社員名などの個人情報を入力する
  • 契約書・NDA対象の情報を入力する
  • パスワード・APIキーを入力する
  • AI出力をファクトチェックなしで送付・公開する
  • AIの法的アドバイスをそのまま採用する
  • 未承認のAIツールを業務で使う
  • 差別的・ハラスメント的なコンテンツを生成させる
  • AIに人事評価や採用の最終判断をさせる
  • インシデントを隠す・報告を遅らせる

Bよくある質問(FAQ)

みんなが気になるポイントをまとめました。

Q. 個人のChatGPTアカウントを業務で使っていい?

A. いいえ。個人アカウント(無料版・個人Plus)では、入力データがモデルの学習に使用される可能性があります。業務データは必ず会社承認済のツールで扱ってください。

Q. AIで作った文章をそのまま顧客にメールで送っていい?

A. そのまま送るのはNGです。AIの出力は「下書き」として使い、事実関係・表現・トーンを確認してから送付してください。社外文書は上長確認を推奨します。

Q. 「A社との契約金額」のような情報を入れて分析させたいのですが?

A. 具体的な社名や金額は避けてください。「取引先X」「約○○万円」のように匿名化・丸めた値にすれば活用できます。「もし月額100万円の契約があった場合」のように仮説ベースにするのも有効です。

Q. AIに作らせた画像を提案資料に使っていい?

A. 社内資料であれば問題ありません。外部公開する場合は、著作権侵害のリスクがあるため、【情報管理責任者】に事前相談してください。AI生成画像であることを明示することを推奨します。

Q. うっかり顧客名を入力してしまいました。どうすれば?

A. すぐに上長に報告してください。企業向けAIツール(Enterprise版等)では、入力データは学習に使用されないため、大きなリスクにはならないケースが多いです。ただし報告は必須です。報告したこと自体が評価されます。

Q. AIを使って書いた文書に「AI生成」と書く必要がある?

A. 社内文書では不要です。外部公開コンテンツ(ブログ、プレスリリース等)については、会社の方針に従ってください。内容に責任を持つのはAIではなく、作成者(あなた)です。

Q. 新しいAIツールを試してみたいのですが?

A. 【情報管理責任者】に利用申請を提出してください。セキュリティ審査の上、承認されれば利用可能になります。個人の判断で未承認ツールに業務データを入力しないでください。

Q. 議事録の要約にAIを使っていい?

A. 会社承認済のツールであればOKです。ただし、議事録に含まれる個人名・機密情報は、入力前に匿名化するか、機密度に応じて判断してください。

C参照法令・ガイドライン

本ガイドラインの策定にあたり参照した主要な法令・指針。

名称発行元概要
AI事業者ガイドライン(第1.2版)経済産業省・総務省(2026年3月)AI開発者・提供者・利用者が遵守すべきリスクベースの指針
行政向け生成AI調達・利活用ガイドラインデジタル庁(2025年5月)政府機関向けだが、民間企業のガバナンス構築にも参考になる
個人情報の保護に関する法律(APPI)個人情報保護委員会個人情報の適正な取得・利用・管理に関する法律
不正競争防止法経済産業省営業秘密の保護に関する規定。AIへの入力が秘密管理措置の喪失になりうる
著作権法文化庁AI学習と著作権、AI生成物の著作権に関する法的枠組み
注意: 本ガイドラインは法的助言ではありません。具体的な法的判断が必要な場合は、顧問弁護士等の専門家にご相談ください。